2007年5月21日月曜日

Evan Williamsの教え

Evan Williamsが半年前(2006年9月)にThe Future of Web Apps Summitで行った
スピーチがこちらでMP3で聞ける

Odeoの話がメインだが、この人のすごいところは、本当に生々しい話を正直に話しているところ。
「自分の会社の現CEOで、自分の会社が失敗した理由を5点述べる」って普通はあり得ない。

そのおかげで今のstart up企業は、彼の失敗経験から学び、また成功ルールから学びながら
成功確率を上げることができるといえよう。


Gigaomでも記事が出ていたので引用しつつまずはOdeoの失敗要因から:

1。“Trying to build too much” – Odeo set out to be a podcasting company with no focus beyond that.

2。“Not building for people like ourselves” – For example, Williams doesn’t podcast himself, and he says as a result the company’s web-based recording tools were too simplistic.
(サンフランシスコでベンチャー企業の取材をしていたときに強く思ったことだが
 TechnoratiのfounderDavid Sifryも自分が欲しかったからテクノラティを作った。
 Six ApartもLinkedInも「自分が欲しかった物を作った」結果、成功したといえる)

3。“Not adjusting fast enough” – The company thought its comprehensive web-based strategy would win out over the competition, primarily Apple, in the long term. “It turns out long term is not soon enough for a startup if you’re trying to get a foothold.”

4。“Raising too much money too early” – Williams seeded the money with $70,000 of his own money, and after the TED excitement added another $100,000. After he tied up over a million in angel funding, a term sheet came through from Charles River Ventures at three times the angel round valuation. They took the money.
(お金と時間がありすぎると間違えるオプションが多すぎる。DiggにしてもBloggerにしてもお金がなかったのでフォーカスし、本当にお金が必要なタイミングでお金を入手することが重要。そういえばFlickrは元々ゲームの会社で写真の共有はゲームの付加機能だったらしい。本当にお金がなくなったときにゲームを取るか写真を取るかを6人の社員みんなで決め、写真にフォーカスして事業を行って成功し、Yahooに買収されたとのこと。)

5。“Not listening to my gut” – “When you’ve got a bunch of money and you’ve hired a lot of people and you’re talking to your board and you’re talking to reporters, your gut can get drowned out.”

このスピーチの中でも触れられているが、Evanのブログの中で最も有名な記事は2005年11月27日に書かれたこの記事。

Ten Rules for Web Startups

相当はしょってるので是非原文も見てください。

#1: Be Narrow
なるべくフォーカスすべき。多くの会社は色々なことをやろうとしすぎて失敗する。フォーカスした方が効率的だし、市場でのポジショニングも明確にしやすいし提携するにしても買収されるにしてもconflictが少なくてすむ。あるカテゴリーでナンバーワンになってからそのカテゴリーがニッチすぎたらスコープを広げればいいのだ。

#2: Be Different
よいアイディアであれば、たいていの人はあなたとおなじことをやろうと考えるだろうしもう作り始めているかもしれない。そのうちの一つはGoogleかもしれない。そんなものであり、それに対応せねばならない。

#3: Be Casual
今は"Casual Web" (casual content creation)の時代だ。これは趣味やプロのweb世界よりずっと大きい。
commitmentやidentity changeなしに人々の(生活の)役に立つサービスが成功するだろう。
FlickrやCasual gamesやSkypeのように。

#4: Be Picky
features, employees, investors, partners, press opportunities全てにあてはまることだが、Startupsは人やアイディアを受け入れすぎる。Googleの強さの秘訣は(そしてGoogle以外にとってフラストレーションの基なのは)Googleが色々なopportunities, easy money, potential employees, and dealsに対してnoと言うことが多いということ。

#5: Be User-Centric
User experienceが全てだ。user-centered designを勉強し、わかっている人を採用すべき。正しい機能を正しく動かすことの方が100の機能を追加することより重要だ。Ajaxはサイトのレスポンスを速くするためのものであって、素敵にするためのものではない。タグは物事を探しやすく、またうまく分類するのに便利だがあなたの開発しているアプリケーションに本当に必要だろうか。APIはdevelopersがユーザにとっての価値を出せるかどうかであってgeekを喜ばせる為のものではない。常にユーザにフォーカスすることが重要だ。

#6: Be Self-Centered
素晴らしいプロダクトは自分が困っていることを解決する為の物であることが多い。「あなたが」欲しいと思うサービスを開発せよ。自分のサービスのユーザを採用せよ。あなたが求める物を作る方向で機能開発/改善せよ。(ただしユーザビリティに関してはあなたは「ユーザ」ではないと心得よ。)

#7: Be Greedy
選択肢があるというのはよいことだ。選択肢をもつために最もよい方法は収入があるということだ。トラフィックも重要だが、give-everything-away-and-make-it-up-on-volume 戦略には限界がある。製品を開発する時には必ず半年以内に得られる収入源を考えるべきである。そもそも無料版が必要だったんだっけと考えるぐらいまで行ってしまった方がいい。TypePad approach(市場でハイエンドなポジショニングを取る)は正しい市場で正しいビジネスモデルを構築できるだろう。サポートも少なく、スケーラビリティの問題も少ない。乱用も少なくハイマージンだ。

#8: Be Tiny
低コストで小さなチームの方がIPOにしても買収にしても成功しやすい。

#9: Be Agile
プラン変更をすれば生き残れたドットコム企業も多いが彼らは舵が切れなかった。当初の目論見に従ってそのまま燃え尽きてしまったのだ。Pyraは当初、Bloggerではなくプロジェクトマネジメントアプリケーションを作っていた。Flickrはゲームを作っていた。Ebayはオークションソフトを売る会社だった。最初のもくろみはたいていいつも間違っているのだから直さないといけないのだ。

#10: Be Balanced
目が充血してジャンクフードばかり食べて睡眠不足でカフェインだらけでストレスだらけ。。。なベンチャー企業に対していえることは、もっと楽しくていい職場があるということだ。コミットメントはもちろん重要だし、ものすごい業務量をこなさないといけない正念場という物はある。しかしそれがいつもになってはいけないのだ。健康のためにはバランスが必要だ。あなたの心と体の方があなたの会社より大事なのだ。David Allen's GTD processをお勧めする。


  1. identify all the stuff in your life that isn’t in the right place (close all open loops)
  2. get rid of the stuff that isn’t yours or you don’t need right now
  3. create a right place that you trust and that supports your working style and values
  4. put your stuff in the right place, consistently
  5. do your stuff in a way that honors your time, your energy, and the context of any given moment
  6. iterate and refactor mercilessly


#11 (bonus!): Be Wary
一般化されすぎているビジネス「ルール」はそのまま受け取ってはならない。必ず例外があるのだから。



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