2009年10月11日日曜日

あなたのお国の三大産業

最近の私の趣味は、色々な国の人に会ったときに、その国の三大産業を聞くこと :)


実際のその国の三大産業は調べればわかるのですが、その国の人がメンタルにどう考えているかが答え方によってわかって面白い。※あくまでたまたま出会った一市民の直感での回答ですので間違っている可能性もあります。

最初に始めたのはメキシコだったと思います。
一位は石油。(石油価格が上がった頃は景気がよかったけど、下がるとやばいという不安定さ。また、汚職が横行しているので石油で儲かってもそのお金は賄賂に流れてしまうという。。。)
二位・三位はなかなか出てこない。何人か聞いたけど結構出てこない。(石油はだいたいみんなから出てくる)
ある人は二位はドラッグという。(ドラッグビジネスは確かにすごいらしい。輸出先は主にアメリカ。しかし、オバマ大統領が対ドラッグ対策を強化するのでやばいらしい。)
更に、三位はアメリカに出稼ぎに行っている人たちが送ってくる仕送りだという。(メキシコの地方からは確かにたくさんの男性がアメリカに出稼ぎに行っているらしい。しかし、出稼ぎに行ったまま帰ってこない男性も多く、奥さんや子供が置き去りにされている村もあるらしい。)

。。。みたいな話からメキシコで国内産業がなぜ育たないのか、起業家がなぜつぶされるのか、ブラジルと比べてどうなのかなどと色々な話が出てきて面白かったので、色々な国に行ったり、色々な国の人に会ったときなど、ふとしたときに聞いてみることにしています。それぞれ書くと長くなるので、いくつかご紹介。なお、これはあくまで専門家ではない一市民が直感で答えたものなので、事実と異なる可能性はあります。


●香港


金融


不動産


貿易
。。。土地のない香港らしい。


●アルゼンチン

穀物



観光

。。。そういえばまだ牛肉食べてない!アルゼンチン来る前は、「アルゼンチンに行くと朝食も昼食も夕食も牛肉を食べさせられるよ」と聞いてたのですが(笑)


●トルコ





農業





じゅうたん

。。。じゅうたん!たしかに!と思ってしまった。


●ノルウェー

石油(金額ベースでは石油産業が一位)
漁業
公共サービス(人数ベースでは一位かもとのこと。特にヘルスケア)

●オーストラリア
鉱物(石炭、最近はウラン)
農業かなあ?
穀物かなあ?
。。。とのこと。

10/11追加
●カナダ
カナダは土地が広大なので、地区によって全く産業が異なる。また、経済が非常に悪くなっており、産業構造も変わってしまった。元は農業・林業・観光が三大産業だったものの、林業は今非常に落ち込んでおり、トップ3から落ちたかもしれないとのことでした。



2009年10月10日土曜日

Twitterマーケティング

10月16日にインプレスから「Twitter マーケティング~消費者との絆が深まるつぶやきのルール~」という書籍が発売されます。

Twitterについてのユーザーサイドのノウハウ本は色々出版されているものの、企業がTwitterを使うにあたってどんなことに気をつけたらよいのか、どんな事例を参考にすればよいのか、どんなツールが使えるのか。。。といったプラクティカルなことを解説した本が存在しない。そんな本を出版したら世の中のマーケッターの皆さんのお役に立てるのではないか。。。?ということで、導入にあたる第一章を私が書かせて頂くことになったのが8月末。当時はよもやこの数ヶ月でTwitter本が6冊?8冊?出版されるとは露知らず(笑)

ちょうどサンフランシスコに行くことが決まっていたので、Twitter本社にお邪魔して、アメリカでTwitterを企業がうまく使いこなしている最新事例を(DELL/comcast以外で :P) 紹介して頂きたい、また日本での今後の展開や新機能についても教えて頂きたいということでインタビューをさせて頂きました。ゆかりさん、ありがとうございました!

二章ではビルコムの野崎さんが販促メディアとしてのTwitterについてという視点から解説されており、三章ではヒマナイヌの川井さんが朝日新聞・ヤフーショッピング・NAVER・デル・Poken Japan・フジヤカメラの6社へのインタビューをご紹介、四章ではループス・コミュニケーションズの斉藤さんが顧客コミュニケーションプラットフォームとしてのTwitterということでTwitter101を始めとする事例をじっくり分析し、五章は同じく斎藤さんがビジネスに使える厳選ツイッターツールを紹介。。。と非常に濃いものになっています。


少し個人的な昔話になりますが。


私は以前「インタースコープ(現ヤフー・バリュー・インサイト)」というマーケティングリサーチの会社でインターネットを使った調査の仕事をしていました。入社してすぐの頃の私の週末の趣味は、会社のキャビネットに並べられた過去の調査のレポートを読み漁ることでした。それまでは調査もマーケティングも全く関係ない仕事をしていたので、見るもの聞くもの全てが面白い。ありとあらゆるモノについて、ありとあらゆる調査が行われており、まさに宝の山!そうして集められた皆さんの意見を反映した商品・サービスを企業が作ってくれたら皆さんも嬉しいし、企業にとっても嬉しい結果が得られるのではないか。

というわけで、調査をやりませんかと色々な会社に営業に行き、アンケートを設計して配信してその結果を分析して報告をするという仕事に没頭するようになりました。

当時はインターネット調査は、従来型の訪問調査(や電話調査)等と比べて「安価にできる」「調査を開始してから結果が出るまでのスパンが速い」等のメリットがあり、何よりも「ユーザーの声が聞ける」ということで価値の高いものだと考えていました。


その後、「テクノラティ」というブログ検索エンジンの日本法人と日本語サービスの立ち上げ・運営に加わることになりました。個人的にはブログは実はずいぶん前から匿名で書いていて面白さはわかっていたのですが、業務として企業にブログの価値をお伝えし提供していくということになりました。

前職の調査会社で行っていたアンケートだと、あくまで設計者が質問内容を決めてそれを配信するわけですが、ブログでは自由に書き込みが行われていて、企業としてはそれを読みとくことで色々なことが見えてくるわけです。どこどこの洗剤を使ったらよかったとか悪かったとか、あのセミナーは面白かったとかつまらなかったとか、ありとあらゆるモノについて、ありとあらゆるブログの書き込みが行われており、非常に面白い。まさに宝の山!そうして集められた皆さんの意見を反映した商品・サービスを企業が作ってくれたら皆さんも嬉しいし、企業にとっても嬉しい結果が得られるのではないか。更に、ユーザーのブログに企業がコメントやトラックバックを送ることもできるし、逆に企業ブログにユーザーがコメントやトラックバックを送ることもできて、インタラクティブなやりとりもできる。すばらしい!

そこで「ブログに書き込みされた内容をテクノラティの検索で抽出し、内容を分析して企業に納品する」というサービスを作り、サービス設計、営業、分析、レポート書き、納品を行っておりました。

当時はブログはユーザーサイドとしては「無料もしくは安価にできる」「簡単なのですぐ書ける」よって「情報の流通が速い」。企業サイドとしては「口コミがたくさん書き込まれている」「生の声が聞ける」などのメリットがあるという話をしておりました。


そして今、我々はTwitterと向き合っているわけです。ブログと同様に「無料ででき」ブログよりも更に「簡単なのですぐ書ける」よって「情報の流通がもっと速い」。「口コミがたくさん書き込まれていて」「生の声が聞ける」。そして何よりも重要なのがブログよりももっと「密なコミュニケーションが行われている」のがTwitter。だからこそ企業にとってはユーザーの声を汲み取るという意味でも、マーケティングメッセージを広く伝えるという意味でも、非常に価値の高いコミュニケーションツールだと思います。


「Twitterマーケティング」は、ブログやTwitterを始めとした色々なコミュニケーションツールを使ったり研究したりビジネスに取り組んだりしてきた著者4人が、それぞれの視点で「こういうことをお伝えしたらお役に立てるのでは」ということを書いた、Twitterをビジネスに活用してみたいというビジネスピープルに向けた一冊です。Twitterを既に使っている方はもちろんですが、今までTwitterを使ったことがなかったけれど試してみたいという企業の皆さんも是非これを読んで試してみていただければと思います。「実際に自分達でやってみないとわからない」ことはたくさんあり、Twitterもその一つだと思います。Just do it!ですね!


2009年10月7日水曜日

WashingtonDC

ワシントンDCに来て一週間がたちました。明後日にはブエノスアイレスに移動する予定です。

8月に日本を発ってから、民主党が政権を取ったり、外務省が記者クラブ外のジャーナリストも記者会見に入れたり、首相がTwitterに興味を持ったり、日本では色々なことが起きています。日本の民主党もオープン化を唱えていますが、アメリカ政府のdata.govやイギリス政府のhmg.gov.uk/dataなど、海外政府によるデータのオープン化が進んでいます。そんな中、ワシントンDCに行って何が起きているのか、色々勉強してみたら何かの役に立つのではないかということで来てみたら、ワシントンDCはめちゃめちゃ面白いです。

最初はDCには知っている人が一人もいないので大丈夫かなと思っていたのですが、Glocomの庄司さん・渡辺さんが色々な方を紹介してくださったり(ありがとうございます!)、GovloopのSteveが色々な方を紹介してくださったりして、そこから会った人が更に人やイベントを紹介してくれるというポジティブループが始まりました。e-governmentやオープンガバメント、政府によるIT/webの利用などをテーマに毎日何件も取材をしまくっています。ものすごい刺激を受けてます!

Brookingsという超有名政策研究シンクタンクのVPであるDarell Westさんには色々なことを教わりました。e-governmentについては色々な成果が出ていて、組織内のコミュニケーションのあり方から市民の現場レベルまで。例えば既に税金を払うのは2/3がオンラインになっていて、まだ増え続けているとか。

組織のあり方も面白くて、以前は官僚たちは孤独な仕事の仕方をしていたのが、省庁内でのコミュニケーションも、省庁間でのコミュニケーションも円滑になってきているとのこと。Department of AgricultureのAmanda、Department of StateのLovisaという女性二人へのインタビューをしたのですが、省庁横断、かつ州レベルの人たちも参加しているサブグループがあって、彼らはそれで出会い、省庁は異なるながらも情報共有をしながら業務を行っているとか。Amandaは元々はエージェンシー側で働いていたのですが、オバマ政権になってソーシャルコミュニケーションを行う役職ができたということでDepartment of Agricultureの職についたとのこと。政府として目指すところがあって、そのためにポストを作り、それに最適な人材を外から連れてきてどんどん活躍してもらう。本人もとてもやりがいがあるといいます。政府機関のソーシャルコミュニケーションの使い方についても色々聞きましたが、面白かった話の一つがLovisaの仕事で、彼女は海外向けに広報活動を行っており、そのためには自分たちのプラットホームでやってもしょうがない。TwitterやFacebook等はもちろんとして、中国人向けはQQNet、ブラジル人向けはOrkutのように相手に合わせて色々なプラットホームを使ってやっているとのこと。

Department of Defense (DoD)の話も面白かった。昔はArmy,Navy等それぞれが情報を持っていて横断での情報共有はされていなかったのが今はIntellipediaというMediawikiを使ったプラットフォームが作られていて、軍部横断での情報交換もされているとか。もう一つDoD で面白いと思ったのはブロガー施策。防衛関連に関心があってブログを書いている人が多いけれど、情報が足りていない。しかし、DoDとしては情報を出しても「ニュースだ」と思われる物でないとメディアは取り上げてくれない。メディアに出ないとブロガーに情報がいかない。この悪循環を断ち切るため、バグダッド等の現場にいる人たちとブロガーを電話会議でつないであげて、ブログを書けるようにしてあげたというもの。これがブロガーにも現場の人たちにも非常に好評でずっと続いている。内容は本当に多岐に渡るそうです。「例えば住宅問題とか」と言われて少し驚きました。「DoDが住宅問題?なんで?」と聞いたら軍の人たちは色々な場所に派遣されたりするので、住宅問題というのは重要らしい。でも、そんな話題はメディアは取り上げてくれない。でも、そういった問題についてじっくり現場と電話会議で語ると、ブロガーはじっくりブログを書いてくれる。日本の記者会見問題で「(記者クラブ所属でないジャーナリストに)ちゃんとした質問ができるのか」的な質問があったような報道を見たけれど、この施策ではそもそも防衛関係に関心のあるブロガー達を集めているのでメディアよりもずっと良い質問をするという。しかも、それらのブログの記事によってメディアが勉強するようになって、メディアの知識レベルもあがったとのこと。などなど、非常に面白い話が盛りだくさん。

もちろんアメリカの事例を何でも日本に持っていけばいいというものではありません。ワシントンに在住の日本人の方達にもお話を伺ったのですが、彼らは日米の両方を非常によく見ていて、カルチャーの違いとかどういうところに問題がありそうかとか色々考えておられるので参考になります。これもまとめたい。

また、アメリカマンセーということだけではなくて、今朝参加したシンクタンクのワークショップは「アメリカは今、イノベーションがなくてやばい」ということを原点として、何が問題なのか、海外はどうなのか、どうしたらいいのか等を4人のスピーカーが語り、オーディエンスとディスカッションするという物で非常に興味深かった。昔は大企業がイノベーションをどんどん行っていたけれど、今は短期的収益を求められるのでR&Dに回す余裕がなくなり、イノベーションが起こりにくくなっているが、今こそイノベーション政策が必要とかそういう話で。

こういったロビイストやシンクタンク等の開催するワークショップがワシントンDCでは毎日たくさん開催されているそうで、申し込みさえすれば誰でも参加でき、無料の物も多いとのこと。DC在住の人はそういう案内が一日100通とか来るらしい。で、政府の人も役人も企業の人もNPOの人もいっぱいそういう会合に出てるのでみんな顔見知り。今朝のはすごく小さなワークショップだったのですが満席で、オーディエンスには議員の人や世界銀行のアドバイザーの人とかも来て質問とかコメントとかしてました。世銀の人はもちろん海外事情の報告について実はこうなんじゃないという意見を述べたり、自動車産業についての話には、オーディエンスからミシガンに住んでずっと自動車産業事情を研究しているという人が意見&質問をしたり。色々な分野の第一人者が集まって色々な角度から議論をする機会が非常に多いと思いました。先週参加したカンファレンスも、無料で誰でも入れる(事前登録要)のにホワイトハウスの中の人とかAT&Tの副社長とかFBIとかICANNとかFTCとかNPOとか教授とか弁護士とか本当に多様な人たちが集まっており、インターネット犯罪についてみんなでガンガンやってて非常に面白かったです。

FCCやGoogleもegovernmentを促進するために色々な施策をしていてすごくインタビューが面白かったので改めてちゃんと書きたいし、ロビーイングについても面白かったので改めて書きたい。。。今まで私はアメリカはベイエリア中心に訪問していて、新しいテクノロジーとかサービスとかをどんどん追いかけていたのですが、ワシントンDCの人たちからはサイバークライムについてとかネットニュートラリティーについてとかそういう話がたくさん出てくる。「国について」考えることが染み付いた人が多い。「オープンであろう」という意識の人が多い。全然違う分野の人同士が非常によくつながっている。FBIの人に、「どうやって情報を得るんですか?」という質問をした人がいたのですが、「こうやって会合にどんどん出てるんです」って仰ってました。

Craigslistを作ったCraig Newmarkさんともやり取りさせて頂いたのですが、彼は今Gov2.0に非常に力を入れています。いわく、「たいていの人と同じで本当は政治について考えるよりテレビを見てた方がよっぽど楽しいんだけど、今は本当に重要な変化の時期で、放っておくには重要すぎるんだ。ワシントンでイノベーションを起こさせたいと思ってやっているんだ。」日本のIT業界の皆さんの知見も、日本の政府の重要な変化に際して、色々な貢献ができるのではないかと思います。Googleのegovernment担当のGinnyのインタビューでも、「日本のサブカルの人やギークの人たちが政府のIT化に貢献できることはたくさんあるはず!」と仰っていました。

まだまだ書きたいこと山積みですが、とりあえず生きてワシントンDCでがんばってますという報告でした :)